1794 2004/07/05(Mon) 15:24:22 sakura  不器用な夏


「セックスフレンドになってくれない?」

夏の暑い陽射し。
吹きぬける心地よい風。
うららかな午後、ひんやりとした木造校舎の廊下で通りすがりの彼女は言った。

誰に言っているのか、何を言っているのか分からなかった。
呆然としている私に、彼女は言葉を続ける。

「私のエッチ友達よ。あなた、巧いんでしょ?」

彼女を知っている。
皆からミヤと呼ばれている、一つ上の3年生。
綺麗な顔立ちで、声はしっとりとしていてクール。
話した事はないが、記憶には残っていた。

『言ってる事が良く分からないんですけど・・・。』
「だからね、私とエッチして欲しいの。」

ますます分からない。

『その手の冗談、好きじゃないんで・・・。』
立ち去ろうとする私の腕を掴み、更に言葉を続ける。
「冗談じゃないの。本気なの、私。」

私達の傍を遠慮の無い視線達が通りすぎてゆく。
無理もない。
セックスフレンドだの、エッチだの、この年頃の娘が興味を引くランキング上位の言葉を、声を潜めず連発するのだから。

『とりあえず・・・話だけでも聞きましょうか?』
私は好奇の視線から逃れるようにミヤを屋上まで連れて行った。


1795 2004/07/05(Mon) 19:22:19 sakura  不器用な夏

 「私日焼け苦手だから。」

屋上へ向かう階段の途中で、彼女ミヤはそう言って立ち止まった。
少しムッとした。
誰の為に時間を割いてると思ってるんだ・・・。

『で、話がよく見えないんですけど?』
「私ね、彼氏がいるんだけど・・・エッチが上手じゃないの。」
絶句している私に構わず、ミヤは続けた。
「エッチ以外はとっても素敵なの。でも・・・満足しなくって。」
少し首を傾げ、口を尖らせる。
クールな彼女がこんな仕草をすると、尚更可愛く映る。

「あなたの事、色々聞いてるの。エッチがとっても上手だって。」
初耳である。
確かに何人かの女子と付き合ってはきたけど、特に意識した事も言われた事もなかった。
そう言えば・・・ミヤと同じ学年も何人か付き合ったっけ。
『でも彼氏いるんでしょ?セフレって言っても・・・私、女だよ?』
ミヤに対する不快感で、無意識にタメ口になっていた。
「それがいいのよ!」
ミヤは笑顔でそう言った。
「私、浮気する気は無いの。彼の事好きだし。でもエッチは気持ち良い方がいいでしょ?だからあなたにセフレになってもらいたいの。」

何て女だろう。
綺麗な顔をして、貪欲で我侭な・・・。
要は私をバイブ代わりにしようというのだ。
ふざけるな!と一発頬をはりたくなった。
でも同時に、この高飛車な女をどうにかしてやりたいと思った。

『いいよ。セフレになってあげる。だけど私なりのやり方があるから、それが嫌なら成立しないよ。』
「ほんと?何?やり方って。」
嬉しそうに瞳を輝かせる。
姿だけは綺麗なのに・・・。
『明日の放課後、2階の空き教室に来てよ。そこで教える。』
「明日?明日はダメ。彼と約束してるから。明後日ならいいわ。」
チッ
思わず舌打ちをしそうになった。
『じゃあ、明後日でいいよ。』
「ありがと。じゃ、明後日ね。」

ミヤは弾むように階段を降りていった。
本当にムカツク女・・・。
あの女、私の名前知ってるんだろうか・・・?


1806 2004/07/06(Tue) 13:01:26 sakura  不器用な夏

 約束の放課後、空き教室へ行ってみると、まだミヤは来ていなかった。

本当にムカツク!
どうして私が待たされなくちゃいけないんだろう?
それに、‘セフレ’って考え方もムカツク。
確かに、今まで付き合った娘みんなとエッチはしてきたけど、どの娘にもお互い恋愛感情はあったし、体目的で付き合い始めた事だってもちろんない。
考えれば考えるほど腹が立ってきて、もう放っておいて帰ってしまおうと思った。

その時、教室のドアが開いた。
人を待たせておいて、涼しげな顔でミヤが入ってきた。

「ごめんね、待った?」
『別に。あんたの事なんて待つわけないじゃない。今来た所。』
「機嫌悪いのね。」
くすくすとミヤが笑った。
あくまでも上からの態度。嫌な女。
「さ、教えて。いづみのやり方って?」
『いづみ?名前知ってたんだ。』
「当たり前じゃなーい。あ、私は美弥って言うの。榊本美弥。」
『ふーん。ミヤって言うんだ。知らなかった。』
意味のない嘘をつく自分が子供に感じて少し恥かしかった。

「どんなやり方なの?痛いのや汚いのは嫌よ。」

『まず、ここで自分でやってみせてよ。』

締めきった教室は蒸し暑く、苛立ちをさらにかき立てていた。


1860 2004/07/08(Thu) 18:09:42 sakura  不器用な夏

 「え?どういう事?自分でって・・・まさか・・。」
『言葉の通り。普段やってんでしょ?』
「あは。いづみってSなの?私そう言うのはパスよ。」
まだ余裕の表情が更に癪にさわる。
『そうじゃないよ。どんな事が好きでどこが感じるのか、最初に知りたいんだ。付き合う娘にはいつもしてもらってるけど?』

嘘だった。
ただ単にミヤを困らせて、全てが思い通りになる訳じゃないって思い知らせたかっただけだった。
もしも、ミヤがいつもの涼しい顔で「だったらいいわ。さよなら。」なんて立ち去られたら、私はひどく傷ついた事だろう。
そんな事は考えもせず、ただ、ミヤを懲らしめたいと思っていた。

『どうすんの?嫌ならいいよ、帰りなよ。』
強気に出ると初めて困惑した顔を見せた。

「みんな・・・したの?ここで?ホントに・・・?」
以外にも食いついてきた。
『やめとく?いいよ、それでも。』
私なりの助け舟だった。ミヤと・・・私本人の。

「する・・・。してみる。」

困ったのは私のほうだった。


1861 2004/07/08(Thu) 18:30:20 sakura  不器用な夏

 『無理しなくても。強制は嫌いだから。』
少し逃げ腰になる私。
「ううん。でも、少しだけ手伝って。いきなりじゃ雰囲気でないから・・・キスだけ・・・。」
切れ長でまつげが長くて潤んだ瞳で私を見つめ、手を握る。
私よりも少し背の低いミヤが顎を上げると、自然に私の唇は吸い寄せられてしまった。

柔らかい唇を割って私の舌が侵入すると、ミヤの舌もそれを迎え撃つ。
ゆっくりと複雑に絡み合う舌と、かすかに漏れるミヤの吐息。
私の奥がジリジリと熱くなる。
このままミヤの乳房を乱暴に揉みしだきたいという欲望が沸き起こる。

ふと、この情熱的なキスがミヤの作戦のような気がしてきた。
私はミヤの乳房を掴みかけて、そのままミヤの手を取った。
閉じていた瞼がパッと開く。
(どうして?)
唇は塞いだまま。
(その手には乗らない)
取ったミヤの手を、彼女の乳房に乱暴に押し付ける。
(自分でやれって言っただろ)
舌先でミヤの唇をなぞりながら、視線を合わせる。

ミヤは観念したように瞳を伏せ、押しつけられた指先をゆっくりと動かし始めた。


1866 2004/07/08(Thu) 23:55:56 sakura  不器用な夏

 私は唇を重ねたまま、ゆっくりと後ろの机にミヤを誘導した。
ミヤは後ずさりしながら、後手に机を探り当て、その上に腰掛けた。

ミヤは片手でブラウスの上から自分の乳房を揉み、突起の当りを摘み上げる。
親指と人差し指で挟み、指をくねらせると、次第にブラウスの上からでも分かるほど、乳首が勃起し始めた。
もう片方の手でボタンを一つ一つ、私を、自分を、焦らすように外し、薄いブルーのブラが現れた。
私は唇を強引に離すと、ミヤは戸惑い、何か言おうとしたが、諦めて行為を続けた。

ブラを両方下にずらして乳首を露にし、その乳首を親指と中指で挟み、人差し指で擦り始めた。
ミヤの乳首はみるみる固く尖り、息遣いも少し荒くなっていた。

徐々にスカートの中へもぐり込ませた片手がごそごそと動いている。
私がミヤのスカートをめくると、すでに手はショーツの中でうごめいており、間接的に見える指の動きがかえっていやらしかった。
ミヤは荒げた息遣いの合間に、小さく声を漏らしている。
そんなミヤ以上に、私は欲情していた。

いっそのこと、このままミヤに飛びついて欲望のままに貪りたい・・・。
でもそうすると相手の思う壺で、目の前の、天使のような悪魔のような、いやらしく美しい女が憎くさえあった。

私は荒々しくミヤのショーツを剥ぎにかかった。
「ぁ・・・いや・・っ」
か細い声で抵抗するミヤからショーツを引き剥がし、更に乱暴に足を開かせた。
日頃、誰からも大切にされてきたミヤは、哀しくなったのか、うっすら涙を浮かべた。
そんなミヤに声もかけず、私はすぐそばの椅子をまたいで座り、背もたれに両手をついてミヤを静観した。
座った位置から、目の前に開かれたミヤの恥部が露になっている。
おそらく、生まれて初めての屈辱を味わいながら、ミヤはおずおずと手を恥かしい場所へ忍ばせた。

くちゅっ・・・・

湿った音がした瞬間、ミヤは顔を赤く染め、下を向いてしまった。

くちゅっくちゅっくちゅぅっ・・・・

それでもミヤは自分の手を止めない。
中指でヒダの中からすくいあげるようにクリトリスを弾いている。

「ん・・・は・・ぁ・・・ん・・・。」

乳首は痛いほどに自らの指で抓られ、引っ張られている。
今度はクリトリスを乳首にしたように、指で挟んで先端を擦り始めた。

「あ・・はぁ・・・あ・・はぁ・・・・はぁん・・・。」

ゴクリと思わず生唾を飲み込んでしまう。
普通なら、ミヤを押し倒すか、自分の熱い自分自身を慰めているだろう。
ミヤの顔は上気し、柔らかな唇はだらしなく半開きのままで、私に濡れた視線を注ぐ。

「い・・きそぉ・・・。いっていい・・・ねぇ・・・ね・・・えん・・。」

私は勤めて表情を変えず、無言を押し通した。
私の許可を得ず、クリトリスを挟んでいた指は外され、中指だけで激しくクリトリスを苛め始めた。

クチュクチュクチュクチュ・・・・

「ん・・あぁ・・・くう・・・い・・・く・・っ」

ミヤは搾り出すような切ない声を出し、両足をピンと伸ばし、仰け反って体を震わせた。

私はもう一度生唾を飲み込んだ。
じっとりと背中や首に汗をかいているのは、この夏の暑さのせいだけではなかった。


1874 2004/07/09(Fri) 23:28:49 sakura  不器用な夏

 しばらく放心していたミヤは急に恥かしくなったのか、起き上がり、ヒクついている恥部をスカートで隠した。
私はまだ黙ってミヤを見つめていたが、息苦しいほど鼓動が激しかった。

「な、何か言って・・・。恥かしい・・・。」
頬を赤く染めたミヤは俯きながら上目遣いで私を見た。
『ふん・・・なるほどね。あんな風にしたら気持ちいいわけだ。』
「やだ・・っ。」
ミヤはますます赤くなって下を向いてしまった。
でも、片足にかかったままのショーツを履こうとしていない。
この先を期待しているのか・・・。

ミヤを抱きたいと思う。今すぐに。
でも最初に決めたスタンスを崩すわけにはいかない。
この女の思い通りにはならない。
ただのセックスフレンドにも、意地やプライドはあるのだ・・・。

『今日、これから用があるんだ。今度やろう。』
「えっ・・・・。う、うん・・・・。いつ?」
『あんた、彼との約束があるんでしょ?連絡してよ。』
そう言って自分の携帯の番号だけを告げ、振り返りもせずにその教室を後にした。

まだショーツを履き終わっていないミヤだけを残して。


1903 2004/07/13(Tue) 17:34:57 sakura  不器用な夏

 家に帰る道中、さすがに良心がチクチクした。

少しやり過ぎたかな・・・

でも、淫らなミヤを思い出すと、自信満々のはずの彼女の不安げな表情もどこかへ行ってしまった。
何ていやらしい女なんだろう。
そう思いながらも、私の奥はずっと熱を持ったままでくすぶっていた。

部屋に入り、制服も着替えないで太腿の間に手を差し入れた。
そこは熱く湿っていた。
目を閉じて、ついさっきまでミヤが自分の目の前で行っていた事を思い出す。
私はその日、何度も自分を慰めた。
ミヤの指を、唇を、乳房や濡れ滴っていた恥ずかしい場所を思い出しながら・・・。

何度目かに果てた時、ふと携帯に目をやった。
私の仕打ちに怒って連絡などしてこないかもしれない。
それならそれでいい。
あんなにいやらしくて・・・美しい女、きっと深入りするとろくな事がない。
自分の気持ちがミヤへ向いてしまわないように、私はミヤの事を蔑んだ。

その時、携帯が鳴った。


1904 2004/07/13(Tue) 17:59:09 sakura  不器用な夏

 ミヤからだった。
明日会えないかと聞いてきたが、バイトがあると断った。
本当はバイトなどどうでも良かったが、いったん上手に出ると後には引けない。
じゃあ明後日と言う事になり、早々に電話を切った。

私はそれから遠足前の子供のようにそわそわして、夜もあまり眠れなかった。
そして、もうすでにミヤに夢中になっている自分に気付いた。
でも、決して好きになってはいけない相手なのだ。
傷付くのは・・・嫌だ。

待ちに待ったその日、ミヤが教室まで迎えに来た。
最初はあんなに高飛車だった態度も、少しはまともに見える。
驚いたのはクラスの女どもだった。
ミヤは目を引くタイプだし、憧れている女の子も何人かいる。
その彼女達の間を通りぬけて行くのは、少し気分が良かった。

「私の家に来ない?」
『ミヤの家?帰るの面倒だから私の部屋にしない?』
「う、うん。いいけど・・・。」
ことごとく自分の思い通りにならない事が少し不満そうだった。
私は彼女のことをあまり知りたくはなかった。
いや、すごく知りたい。でも、知れば知るほど彼女のことを好きになってしまうのが怖かったのだ。
どうせ一番は彼氏。二番手で苦しむくらいなら、ドライにセフレに徹した方が傷は浅い。

家までの帰り道、あんなに饒舌だったミヤは少し緊張しているのか、あまり話をしなかった。
部屋に入ると座る間もなくミヤにキスをした。
「んっ・・・ちょ、ちょっと・・・。いきなりじゃ・・・。」
少し抵抗しながらミヤが言った。
『やりに来たんでしょ?』
私はそう言って、またミヤの唇を塞いだ。

正直、私は一昨日から彼女が欲しくてたまらなかったのだ。


1952 2004/07/16(Fri) 00:21:29 sakura  不器用な夏

 舌を吸いながらミヤのブラウスのボタンを外す。
ブラを思いきり上にずり上げ、そっと乳房を揉む。
強く揉めば痛い事くらい、女同士だからよく分かっている。
すぐに乳首がしこってきた。
コリコリと指の間で転がすと、唇の間からあの切ない吐息が漏れてきた。

立ったままで片手をスカートの中へ手を入れ、しっとりと湿った太腿の間に滑らせる。
すぐにミヤの膨らみに行き当たった。
膨らみの真ん中を指で揉むようにゆっくりと円を描く。
ミヤの息遣いが荒くなり、私の首に回した腕に力が入る。
唇を離し、ビンビンに勃起した乳首をくわえた。

「ぁっ・・・ん・・・」
ミヤの吐息がいやらしい声に変わった。

私もたまらず、ミヤをベッドへ引っ張り、馬乗りになった。
片手で体を支え、乳首を吸いながらショーツの間へ指を忍ばせた。

くちゃっ・・・
あの日と同じ音がした。
くちゃっくちゃっくちゃっ・・・
指を動かせば動かすほど、ヌルヌルと生暖かい汁は溢れ、私の指に絡みついてくる。
「あっあぁっ・・・ん・・・ぅん・・・」
ショーツを脱がせようとすると、ミヤが腰を浮かせ、ショーツは糸を引きながらすんなりと脱がせる事ができた。

私はミヤの足の間へ回り、M字に大きく開かせた。
ミヤのそこはヌラヌラと妖しく輝き、時折ヒクヒクと震えて私を誘っていた。
ゆっくりとヒダの間を、下から上へとなぞり、ミヤの一番好きな珠へと辿りついた。
その珠はプックリと膨らんでいて、指を這わせると殊更大きくミヤは泣いた。

私はわざと指だけでそこを楽しみながら、ミヤの様子を観察した。
指先で優しく珠に円を描くと、ミヤは吐息を漏らし、小さく喘ぐ。
「はぁ・・・ぁん・・・・あぁ・・・」
今度は少し乱暴に、指先で弾いたり、摘んで揉んだりした。
ミヤはキャンっと短く鳴くと、激しい息使いで大きな声を出した。
「あぅっん・・!あっあっあぁっ・・・はうううん!!」

私は両手でミヤの腿を持ち、いやらしく熟れた茂みへと顔を埋めた。


2030 2004/07/20(Tue) 18:26:37 sakura  不器用な夏

 そっとヒダを開き、舌をべったりとつけて下から上へ舐め上げる。
「は・・・ぅぅん・・・」
何度も同じ動作を続けると、もどかしくなったのか、ミヤは体を捩り始めた。

私はミヤのヘアをかきあげ、親指でクリトリスを剥き、舌先で弾いてやった。
「あっあっ・・んっんんっ・・・」
M字に開かれた足が時折ピクンピクンと跳ねる。

今度は剥き出しのクリトリスを、唇をすぼめてすする。
じゅるるる・・・じゅるるる・・・
私の唾液とミヤのエッチ汁が合わさった音が響く。
「はぁぁん・・はぁっはぁぁぁっ・・・」

クリトリスを吸っていると、ミヤのいやらしい穴がヒクヒクと動き始める。
獲物を求めているイソギンチャクのような艶かしい動きで誘っている。
入り口に少しだけ指をあてがってやると、収縮して指を捕らえようとする。

本当にいやらしい女・・・
私は嫌悪感をそのまま、そのイソギンチャクへぶつけた。

ズブズブズブッ・・・・
「あっうぅぅん・・・!」
案の定、指の根元までくわえ込み、奥でも内壁を収縮させながら指に絡みついてきた。


ようやくエアコンが効き始めた部屋で、ミヤはじっとりと汗ばんだ体をベッドの上で蛇のようにくねらせていた。


2045 2004/07/21(Wed) 15:08:02 sakura  不器用な夏

 沈めた指先を中で折り曲げ、ゆっくりと天井を擦ってやる。
ミヤは息を荒げ、そのせいで腹が大きく波打っている。
「ぁ・・・いぃ・・・。そ・・こぉ・・。あ・・ぁ・・・。」

チュパッチュパッ・・・
指を動かしながらクリトリスをついばむと、「あっあっ」と短く鳴き、首を左右に振る。

ミヤの体全体に力が込められてきた。
クリトリスを吸っている私の頭を太腿で締め付けてくる。
鼻にかかったいやらしい声もかすれ、吐息しか聞こえてこない。

クリトリスと戯れていた舌を外すと、ミヤは「うぅん・・・」と非難じみた声を出した。
その声に逆らうように、太腿の付け根にその舌を這わせ、焦らす。
たまらず腰を振り始めるミヤ。
それを合図に、ゆっくりと遊んでいた指を再び奥まで勢いよく突き刺した。

「くっ・・ぅぅぅ!!」
突然の刺激に声を詰まらせ、体を浮かせるミヤ。
私は太腿の間から抜け出て、そのままミヤに覆い被さる。
ズンッズンッズンッ・・・
「ぅっぅっうぅっうっ・・・!!」
私は乳首を噛みながら激しく指で突き上げる。
ミヤは私にしがみついてうめき声を上げている。

ぐちゅっぐ・・ちゅぅっ・・
だんだん突き上げている指が締めつけられ、出入りが難しくなってきた。
「い・・・いく・・・いきそぉ・・・!」
私はミヤの唇を塞ぎ、きつくなった内壁を無理矢理突き続けた。

「んむぅ・・・・っ。いっ・・・いくのぉぉ・・・!」
ミヤは苦しさのあまり唇を外し、今日の中で一番大きな声を上げた。
私の手はミヤの太腿に締めつけられ、中の指はさらに痙攣する肉壁に痛いくらい締められていた。
ブルルッブルルッと不規則に震えながら、ミヤは私の下でぐったりとして
「すごい・・・すごい・・・・。」とうわ言のように呟いていた。

首筋を流れる汗で気がついた。
私達はまだ靴下さえも脱いでいなかった。


2070 2004/07/22(Thu) 19:07:46 sakura  不器用な夏

 蝉が短い命をかけて大合唱する中、終業式が終った。
講堂で遠くからミヤが私に視線を送っている。
私は気付かないフリをして教室へと続く列に紛れた。

あの日から何度かミヤとセックスをした。
すればするほど、ミヤの体は開花し、より一層艶かしく、綺麗になった。
そのお蔭で彼氏ともうまくいっているのだと、平気でミヤはベッドの中で言った。
私はその自由奔放な彼女に、やはり惹かれていた。
だからミヤの誘いを3回に1回は断るようにしていた。

「いづみー、一緒に帰ろうよ。」
ミヤが私の教室までやってきた。
もう最近では堂々としたもので、クラスの人間も驚かなくなっていた。
『クラブあるから。』
今日もそっけなく断る。今回は断る日なのだ。
「・・・待ってる。」
『そ。何時になるか分からないけど。』
ミヤは黙って頷いて教室を後にした。

「やっぱりあの人と付き合ってるの?」
怒ったような声に振り向くと那美が立っていた。
『付き合ってるわけじゃないけど。』
「先輩から聞いたよ。でもあの人よくないと思う。」
那美が言いたい事はだいたい分かっていた。
「あの人、彼氏いるんでしょ?それに自分勝手だし。いづみらしくないよ、あんな人と・・・。」
『心配してくれてんの?大丈夫だよ。ただのセフレだから。』
那美の驚いた顔が見る見る怒りに変わった。
「そんなの、利用されてるんじゃない!なんでっ・・・。」
心の葛藤を見透かされそうで、言葉を遮った。
『違うよ。私も楽しんでるし。飽きたらちゃんとした恋するからさ。』
そう言って、那美の次の言葉も聞かないうちに教室を出た。

私は自分の気持だけでなく、心配してくれる親友にも嘘をついてしまった。


2071 2004/07/22(Thu) 20:26:39 sakura  不器用な夏

 「ねぇ・・・どうしてこんなに上手なの?」

ひとしきり乱れた後で、ベッドに横たわってミヤが聞いた。
足首にはショーツが引っかかっていて、その先の内腿は流れた愛液で一筋の線になっていた。
『さあ。じゃ、何であんたはこんなにセックスが好きなの?』
「いづみが上手だからよ。私、彼とはそんなにしないもん。」
意地悪で言った事にミヤは素直に返して来て、少し戸惑った。
逆に、彼氏のことを一切隠そうとしない素直さには腹が立つ。

さっきの那美の言葉が頭をよぎった。

利用されてるだけ・・・・

最初から分かっていたし、ミヤの体を楽しもうと思ったのは本当だ。
しかし、ミヤに惹かれていく。
気付くたびに、自分に言い聞かせている。
この女はセックスが好きなだけのただの淫乱。
彼氏の肉棒をくわえ込んだ直後でも、私の指を恋しがる。

私は自分の気持ちを追いやって、ミヤに再び圧し掛かった。
仰向けの彼女の顔にまたがり、ミヤへの愛撫だけで十分に潤った恥部を鼻先に押しつけた。

「い・・づみ・・・。」
『今度はあんたがサービスしてよ。』
自分でヒダを開いてミヤの唇あたりにもっていく。
ミヤは屈辱を目に宿して、何も言わず舌を伸ばしてきた。

ぴちゃ・・・

ミヤの舌先が私の敏感な場所を捕らえる。
ミヤに愛撫されていると思うとそれだけで体の中心が痺れてしまう。

ちゅっちゅぱっちゅぱっ・・・
私にされたように、ミヤは私のクリトリスをついばむ。
『ん・・いいよ・・・そう・・・。』
私は片手で自分のヒダを開き、もう片方の手でミヤの髪を撫でた。

じゅるっじゅるっ・・・
ミヤが顔全体を使って舐め上げる。
その必死な顔を不覚にも愛しいと思ってしまう。

しばらくミヤの愛撫に酔った。
おそらく初めて女を愛撫するのだろう。まだおぼつかない。
未熟な愛撫でいくことはできないが、胸のあたりが熱くなった。

「いけない・・・?ごめん・・・」と寂しそうな顔をしてミヤが言った。
『いいよ。私いきにくいんだ、もともと。でも、気持ちよかったよ。』
「嬉しい・・・。」
ミヤから離れようとすると、私の腰を両手で掴んだ。
「ね・・・。一緒にして・・・?」

私は体勢をくるッと変え、ミヤの腿の間に顔を埋めた。
さっきいったばかりのミヤの恥部は驚くほどに濡れ滴っていた。
私はその愛液を激しく吸い立ててやった。
「はぁぁぁん・・・」
ミヤは声を上げながら、同じように私の恥部に吸い付いた。

私はミヤへの愛しさと、嫉妬と、嫌悪を、その正直な場所へ全てぶつけるかのように、激しく何度も攻めたてた。
ミヤは私の尻を抱き、何度も何度も体を痙攣させていた。


2124 2004/07/26(Mon) 21:41:41 sakura  不器用な夏

 私の夏休みは充実していた。
バイト、クラブ、塾。
それらがない日は、ミヤがいた。

いつしか、例え彼氏と約束していても私に合わせるようになった。

ある日、いつものようにミヤから電話が鳴った。
「土曜日、夏祭りがあるでしょ。一緒に行かない?」
悪いことに、バイトもクラブも塾も、断る理由はない。
それでも私はすぐに返事をせず、空いていたら行くと言った。

ミヤとデートなんて・・・。
ミヤが部屋に来ると、必ずすぐに抱いた。
セフレに話など必要ないのだ。
話などしようものなら、今以上にどんどんミヤに惹きこまれてしまう。

それでも今回、すぐに断れなかったのは・・・
私の中で、すでにミヤの存在をごまかせなくなっている証拠だった。

ミヤ・・・

私は答えを出せないまま、憂鬱な数日を過ごした。


2125 2004/07/27(Tue) 00:25:09 sakura  不器用な夏

 土曜日、いつもよりもずっと早く目が覚めた。
今日は夏祭りの日。
ミヤからはあれから連絡はない。
私からの電話を待っていたのかもしれない。

私はといえば・・・。

まだ答えを出せないでいた。
本音を言えば、ミヤと恋人同士のように寄り添い、同じ時間を過ごしたいと思う。
でも、彼女には彼氏がいる。
例え、彼氏よりも私を選び、私だけのミヤになったとしても、きっと彼女は飽きてどこかへ行ってしまう。
そんな女なのだ。
ちゃんと大事にしてくれる彼氏がいるというのに、体が満たされないからとセフレを申し出る。
そんな女なのだ・・・。

分かっているのに、何故すぐに断らなかった?
何故、一緒に過ごすことを恐れている?

その答えはすぐに出る。
ミヤの事が好きだから・・・。

シャワーを浴び、ぼんやりと横になっていたら携帯がなった。
携帯の音以上に、私の心臓は一回大きな音を立てた。
動揺して、相手を確かめずボタンを押した。

「もしもし?」
その声はミヤではなく、那美だった。
『ああ、那美?どうしたの?』
隠し切れない落胆が声に表れた。
「元気ないね、何かあった?」
『今起きたところだから・・・。』
「これから、いづみの家に行ってもいい?」
『ん、いいよ・・・。』

落胆し、ホッとしていた。

まだ心臓が激しく鳴っていた。


2128 2004/07/27(Tue) 12:33:31 sakura  不器用な夏

 那美が来た頃には普段の私に戻っていた。
少なくとも、そう見えるように振舞えていた。

「榊本さんとうまくやってんだね。」
雑誌をペラペラと捲りながら那美が言った。
『うまくも何も。セフレだし。』
「彼女はそういうつもりないんじゃない。私の先輩、榊本さんと仲いいみたいだけど、よくいづみの事話してるって。」
『ふーん。別に興味ないけど。』

どうか、顔に微笑が浮かんでいませんように・・・。

『それに、セフレになってくれって言ってきたのはあっちの方だし。彼氏とも仲良くやってるみたいだし。』
「ふーん・・・。」

なんだか那美はすべてを見透かしているようで、怖い。
ミヤの話はそのくらいで、後は女の子が好むような友達やタレントや、他愛のない話をした。

突然携帯が鳴った。
私の心臓は、またもや大きく波打った。
那美に動揺を読み取られないように、ゆっくりと電話に出た。

「私。」
名乗らないのはミヤだけ。
こういうところも高慢だ。
「今日のお祭り、一緒に行ける?」
『あ・・・。ごめん。友達来てるから。その子と一緒に行くわ。』
私は並みの手前もあり、とっさに断ってしまった。
「そう・・・。分かった・・・。」
いつもより寂しそうな声でそう言って、電話が切れた。
私の胸が誰かの手によって絞られるように軋み、痛んだ。

「今の電話、榊本さんでしょ?」
那美がすかさず聞いてきた。
なんだか嫉妬深い恋人のようだな・・・。
『うん。夏祭り行こうって。友達来てるからって断った。』
「なんでぇ!?」
大きな声を出す那美を面倒くさそうに見ながら、『セフレとデートなんておかしーよ?』とあしらった。
那美は無言のまま、怒ったような、呆れたような顔をして固まっていた。
構わずベッドにうつぶせになり、読みかけの本を開くと、大きなため息と共に那美が言った。
「行こう。祭り。気分転換。」
そしてスタスタと部屋を立ち去った。

那美は私の気持ちに気付いているのだろうか・・・。
焦りを感じながらも、その那美の誘いに救われていた。

きっと私一人だったらどうにもならない事を考えて、一人でへこんでいただろう。


2129 2004/07/27(Tue) 20:51:52 sakura  不器用な夏

 薄い宵闇に屋台の裸電球がぼんやり灯り、いつもの風景を幻想的に演出していた。
知っている顔も何人か見かけ、人数も増えたり減ったりしながら同じ道を行き来した。

那美と二人に戻った頃、歩き疲れたのもあり、一休みしようと神社へ向かった。
途中、道の向こう側にミヤを見かけた。
浴衣を着て彼氏らしき男と腕を組んでいた。
綺麗だった。
やっぱり、一緒に来なくて正解だったと思った。
ミヤがこっちを見た気がした。
もう私は那美と境内へ続く階段を上り始めていた。

「さっき榊本さん、いたね。」
腰を下ろすや否や、那美が言った。
『いた?気付かなかったけど。』
「彼氏と一緒だった。」
『だろうね。そういう女なんだって。』
「気付いてたよ、こっちに。」
『あ、そ。つまんない話はやめて、食べようよ。冷めちゃうよ。』
私はそう言って、さっき買ったばかりのたこ焼きをほおばった。

遠くのスピーカーから祭囃子がかすかに聞こえている。
昼間の熱を冷ますように、心地よい風が木の葉を揺らす音がする。
私達は黙ったまま。
不思議と那美といると沈黙が辛くない。
親友というのはこういうものなのだろう。

「いづみってこんなに冷たい女だったっけ?」
『何を突然。』
「榊本さんの事だよ。遊びじゃないってもう分かってるんでしょ?」
『まぁたその話ー?彼氏いるんだよ。見たでしょ?本気なわけないじゃん。』
「意地っ張り。」
これ以上この話をすればボロが出てしまう・・・。

ふざけてしまうほかなかった。

『あの人も綺麗だけどさ。付き合うんなら那美みたいな娘がいいなー・・・。』

唇を那美へと近づけた。


2136 2004/07/28(Wed) 10:37:36 sakura  不器用な夏

 ムギュッ
吐息がかかるほど近づいた時、いきなり那美が私の頬をつねった。
『ひてててっ』

なんて間抜けな私の顔。

「何、らしくない事してんのよ。」
『何がぁ。ムードねーなー。』
私は頬をさすりながら口を尖らせて言った。
「私だって本気じゃないキスはしないの!」
那美は勢いよく立ち上がり、振り向いて「ガキッ!」と捨て台詞を吐いて行ってしまった。

怒られた・・・。

ガキじゃないもん・・・。
遊びのセックスだってできるもん・・・。
口の中でもごもごと呟きながら、母親に怒られた子供のようにうなだれて帰った。

帰りながら、こんなに心配してくれる親友がいる事に、胸の辺りがじんわり暖かくなった。


2137 2004/07/28(Wed) 12:14:23 sakura  不器用な夏

 夏祭りの翌日から、ミヤから毎日のようにかかっていた電話がぴたりと止んだ。
携帯が壊れたのかと思うほど、静かな毎日だった。

ほらね。

無意識にその言葉が口をついて出た。
いつかはこうなるだろうと、最初から分かっていたから大して寂しくもなかった。

そう思うようにしていた。


12日目。
チャイムが鳴り、何の前触れもなくミヤが現れた。
私は驚き、警戒した。
それ以上に、心の底から嬉しかった。
思わずミヤを抱きしめたいという衝動に打ち勝つのに苦労した。

『何?連絡もなしに。』
つとめてそっけない素振りをする。
「したくなったから、来たの。入れてくれる?」
相変わらず高慢な彼女を追い返すほど強くはなく、彼女が恋しかった事を認めざるを得なかった。
『いいけど、夕方から用事あるから。』

部屋に着くと、ミヤから抱きついてきた。
「ね、して。早く・・・。」

私の数日間の努力はまた振り出しに戻ってしまった。


2139 2004/07/28(Wed) 12:31:15 sakura  不器用な夏

 急かされるように唇を重ね、ミヤのキャミソールをブラごと剥ぎ取った。
プルンと形のいい、ミヤの乳房が弾んだ。

白いミヤの乳房に赤い痕。

すかさずミヤが言う。
「あ。嫌だって言うのにつけられちゃって。気にしないで。」

私の胸の中で、嫉妬と憎悪が湧き上がり、激しい勢いで燃え盛る。
そして、また激しい勢いで燃え尽きた。
ようやく自分の中の葛藤と離れられる。

ふっと笑って私は言う。
『大丈夫。全然気にならないよ。』
ミヤは寂しげに顔を曇らせた。

私はわざとその痕に舌をあてがい、そのまま這わせる。
乳輪をゆっくりとなぞっていくと、すぐにミヤの乳首は硬くなり始めた。

チュパチュパチュパ・・・
「ん・・ぅん・・・あ・・」

太腿の間へ手を差し込むと、ショーツはじっとりと湿っていた。
そのままショーツのセンターを縦になぞる。
「ぅぅん・・・」

乳首を吸いながら、センターをなぞりながら、ゆっくりとベッドへ誘導する。

ミヤをとりわけ丁寧に扱った。


2141 2004/07/28(Wed) 12:56:36 sakura  不器用な夏

 ベッドへたどり着くと、ミヤを四つん這いにさせた。
『もっとお尻突き出してごらん。』
ミヤは言われたとおり、尻をぐっと突き出した。
私はミヤのスカートをまくり、白い二つの丘に食い込んでいる布を脇に引っ張った。
ショーツの脇から見えるそこは、普段よりもいやらしかった。

ミヤもいつもと違うシチュエーションに興奮しているらしく、たったあれだけの愛撫で十分すぎるほど濡れていた。

指に愛液を塗る必要もなく、そのままクリトリスを撫でてやる。
指先で円を描くと、それに合わせてヒダの奥がひくひくと震える。
2本の指をそろえて、入り口にあてがい、ゆっくりと沈めていく。

ズブッ・・・ズブズブ・・・
「んっ・・はぁ・・・ん・・・」
案の定、根元までズッポリくわえ込んでしまった。

中で間接を曲げ、ゆっくり出し入れすると、ミヤもそれに合わせ腰をグラインドさせる。
グチョッ・・・グチョッ・・・
「あぁっ・・あっ・・・いい・・・」

ピストンを早める、クリトリスを舐めてやる。
「ぁはんっはぁんっ!あっあっあっ・・・」

クリトリスをリズムに合わせて噛んだり吸ったりすると、ミヤの腰の動きは激しくなり、声もどんどん大きくなったくる。
「やぁっあっああぁっ・・・いいっ・・い・・いいのぉ・・!」

ぎゅーっと内壁の締め付けが強くなる。

イキソウ・・・

「い・・きそ・・お・・・」

その言葉を合図にスポンッと指を抜いた。
「えっ・・・いやぁっ・・・」
怒りにも似た、非難の目でミヤが振り向いた。

私はミヤの尻から顔を上げ、『いきたいんなら、私もいかせてくれなくちゃ。』と意地悪く微笑んだ。

セフレなのだから・・・。


2142 2004/07/28(Wed) 14:47:07 sakura  不器用な夏

 私はジーパンとショーツを自分で脱ぎ、ベッドの上に仰向けになった。
『上に来たら?』
ミヤも観念し、自分でショーツを脱ぎ、尻を向けて私の上に乗り、腿の間に顔を埋めた。

ミヤは私の陰毛を掻き分け、クリトリスを探し出すと口に含んだ。
チュッチュッチュッ・・・
『ん・・・いいよ』

私は目の前にぱっくりと開かれたミヤのワレメをゆっくりと指で焦らすようになぞる。
さっきの快感を覚えている入り口は、私の指が近づくと、食いつかんばかりにひくついた。

成果がなければ、私からの報酬もないのだと悟ったミヤは、懸命になって私を愛撫する。
ミヤが指を熟れた泉へ沈め、クチュクチュといやらしい音を立てながらかき回す。
私は指を入れてやるどころか、クリトリスにさえ触れてやらない。

今度はクリトリスを剥き、舌先でピンピンと弾き始めた。
これも私が以前ミヤにしてやって、とても感じていた愛撫だ。
次第に私も奥の方が熱くなり始めた。

『ん・・そこ、気持ちいいよ・・・。あ・・・ん・・・』
私が声を出すと、ミヤの舌は激しく動き始めた。
同時に、なぞっているだけのミヤの恥部からヌルヌルとしたいやらしい液が湧き出てきた。

『あぁ!!ん・・っはぁっ・・・』
ミヤが私のクリトリスを噛んだ。
頭の先まで電流が走る。
ミヤの指はさらに私の奥を突き始める。

『あっはぁっああぁっ・・・いいっ。いいよっ・・・』
久しぶりに味わう気持ちのよさに、私の声も高まる。
グチュッグチュッグチュッ
『ああ!うっうっ・・・』
汁が飛び散りそうなくらい激しく突き上げられ、私はうめき声のようなものを上げた。

ミヤが噛む。吸う。突き上げる。

『あぁっ・・あっ・・・いきそ・・・。』

即座にミヤがクリトリスから口を離し、「いやぁっ。ずるい!私もよぉ。してぇ!」と恥部を私の顔に押し付けてきた。

私はミヤの尻を抱え、クリトリスに噛み付いてやった。
「ああん!んっんっ・・もっとぉ!」

私達は互いのクリトリスを噛み、吸い合い、そして突き上げた。
「はっはぁっ・・・あっはぁ・・も・・・だめぇ・・・」
『あぁ・・・あ・・・・い・・くよぉ・・・?』
「あ・・い、一緒にぃ・・・・い・・・くぅぅ・・・!」

ミヤは私の上で伸び上がり、倒れこんだ。
私はミヤの尻を爪痕が残るくらい掴み、脱力した。

欲求は満たされた。

ミヤとセックスをして、こんなにすっきりしたのは初めてだった。


2144 2004/07/28(Wed) 19:12:17 sakura  不器用な夏

 あの日以来、私はセックスで快楽を得て、楽しむようになった。
ミヤと交わる時はその情事だけに溺れる事ができた。
ミヤも日に日に上手になっていった。

あれからミヤとの関係は変わらない。
むしろ駆け引きをしない分だけ楽になった。
無理に断る必要もなくなり、会う日も増えた。

ある時は、ベッドに腰掛けた私の股間に、ひざまづいたミヤが顔を埋め、いやらしい音を部屋中に響かせる。
ある時は、ミヤを立たせたまま尻を突き出させ、後ろから激しく突き上げる。

私達は対等だった。
たまに、以前感じていた虚無感が頭をかすめる時があるが、上手くなったミヤの舌がすぐに忘れさせてくれた。

相変わらずミヤからのデートの誘いはあったが、一貫して断り続けた。
私達はお互いの欲望を満たすだけの道具になった。

こうして、私のクラブとバイトとセックスで埋められた夏休みはあっという間に過ぎて行った。
焼け付くような暑さも和らぎ、蜩が鳴き、秋めいた風がカーテンを揺らす。
季節が移り変わろうとする中で、私は何か忘れ物をしたような気持ちにとらわれていた。


2150 2004/07/29(Thu) 14:41:11 sakura  不器用な夏

 新学期が始まった。
那美とはあの夏祭り以来、連絡もしてなかったので気まずかったが、彼女はそんな事などなかったかのように普通だった。
懐が大きいのか、全く執着していないのか。
とにかく私の肩の荷はひとつ降ろされた。

ある夜、ミヤから電話があった。
彼女と話をするのは、学校が始まって初めてだ。
「明日、放課後空いてる?」
『特に何もないけど。うちに来る?』
「ううん。明日、前に行った空き教室で待ってるから来て。」
『いいけど・・・。』
学校ではまずいだろう、とさすがに思ったが、とりあえず承諾した。

もう初めての日のようにそわそわする事もなかった。
一切余計な事を考えない術を、私は身につけたのだ。

放課後、教室を出ようとする私に那美が話しかけてきた。
「これからみんなで遊びに行くんだけど、いづみも行こうよ。」
『あ、ごめん。今日は・・・。』
何故かミヤがらみのことは、那美には言いづらい。
「・・・榊本さん?」

なんて勘のいい奴。

『うん・・・。ごめん、また誘ってね。』
「分かった。じゃあね。」
胸を撫で下ろす私。

怒られなくて良かった。

空き教室へと向かう。
初めての日と全く変わらない。
誰かの黒板の落書きも、色褪せたカーテンもそのまま。
ただ、少しだけひんやりとしていた事と、ミヤがもうそこにいた事だけが違っていた。


2151 2004/07/29(Thu) 14:48:58 sakura  不器用な夏

 『どうしたの?こんな所で』
「ん・・・話があって。」
てっきり、「ここで、して。」なんてねだられるのだと思っていたので少しほっとした。
『話?昨日の電話でも良かったのに。』
「ん・・・。」
ミヤは下を向き、動かなくなった。

スピーカーから放送部のマイクテストの声が聞こえる。
それ以外の音は全く聞こえてこない。
動かないミヤの鼓動の音が聞こえたような気がした。

ミヤが沈黙をようやく破った。
「私と・・・付き合ってほしいの。
『・・・え?』
初めて言葉を交わしたときのように、何を言っているのか一瞬分からなかった。
『付き合うって・・・今だって・・・。』
「違うの。セックスだけじゃなくて、ちゃんと・・・・。」
ミヤは小刻みに肩を震わせている。
動けなくなったのは、今度は私の方だった。
「私達、ここで始まったでしょ?だからここで告白したくて・・・。」

私が沈黙を破る番が来た。


2163 2004/07/30(Fri) 11:26:20 sakura  不器用な夏

 いつの間にか日差しが傾き、教室の床に長い影を作っていた。
ぼんやりと暮れ行く空を眺めていると、教室のドアが開いた。

「いづみ?何してるの?」
那美だった。
『遊び行かなかったの?』
「ん、まあね。いづみの鞄、まだ置いてあったし。榊本さんは・・・?」
『うん・・・。』
私はまた視線を赤く染まる空に戻した。

『セフレ解消。』
「え?」
『さっき告られたの。』
「そう・・。良かったね。」
『断ったよー・・・もちろん。』
「どうして?だって、いづみ・・・。」
『セフレになってくれって言って来る女だよ。付き合えるわけないじゃん。』

少しの沈黙の後、那美が言った。
「榊本さんも、最初はそんな風にいづみの事誤解してたみたい。」
『・・・え?』
「いづみ、いろんな女の子と付き合って、エッチしてもいつも長続きしないでしょ。だから遊んでる娘だって思ってたみたい。」

そう言えば、ミヤは最初に言ってたっけ。「あなた、巧いんでしょ。」
『ふっ。心外だね。』
「だから、いいかなって思ったんだって。でも本気で好きになったから彼氏とも別れたって、先輩言ってた。」
『・・・』
「お互いに誤解してたのよ。まだ間に合うんじゃない?電話したら?」
ポケットに携帯の存在を感じた。

『いいの。きっとうまくいかないよ。彼女、飽き性だし・・・。』
「そうやって今までも別れてきたんだよね。本気になって、傷つくのが怖くて・・・。」

どうして私をそこまで知ってるの。
やっぱり怖いな、こいつは。

さっきからずっと夕日を見ていたせいで、目の奥が熱くなっていた。
ぎゅっと目を閉じると、残光が浮かび、睫毛がうっすらと濡れた。
ゆっくり目を開けると、すぐ目の前に那美の顔があった。
そしてそのまま、ゆっくりと近づいてきた。

長い・・・いや、本当は一瞬の出来事だったのかもしれない。
でも、私には5分にも10分にも感じられた。
暖かく、やわらかく、優しいキス。

那美はまたゆっくりと唇を離し、私の横に腰掛けた。
そっと私の肩を抱き、私はされるがままに頭を那美の肩に預けた。

二人とも黙って夕日が落ちていくのを眺めていた。

さっき私の睫毛を濡らした涙は、頬を伝っていた。

あたりが薄暗くなった頃、ようやく私は口を開いた。

『本気じゃないとキスもできないんじゃなかったっけ・・・?』
「そうだけど・・・?」

ひんやりとした風が、秋の匂いを連れて来た。

それぞれの不器用な夏が終わる・・・。




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