元旦…カウントダウン
 Honey 2004/01/01(Thu)  No.3416

3!2!1!… A HAPPY NEW YEAR〜!!☆ ギュウギュウの人ごみの中、盛大に上がる花火と…大好きなあなたと共に新年を迎えた。 「明けましておめでと☆」 花火の音と、狂喜乱舞の歓声の中、優しく微笑んで、あなたは私をギュッと抱き締めてくれた。 「……」 嬉しくて、ドキドキして、何も話せなくなる… 「…小雪?」 「…あけましておめでと」 「うん…今年もよろしく」 「こちらこそ…よろしく」 まわりがうるさくて、よかった… じゃなきゃ…この胸の鼓動が、あなたに聞こえてしまいそうだから… 「はは…小雪かわいい」 「…えっ?」 「耳まで真っ赤だよ…」 さらに強く抱きしめられ、もっとあなたに包まれた。 こういうのって… こういうのって… 耳に寄せられたあなたの口唇からこぼれる、少しかすれた囁き声と暖かい息が…私の体温を上げる… 今だけ…神様… 今だけ彼女を… 私にください…お願い… そっとあなたの背中に手をまわした。 「…ん?どした?」 「…うぅん…」 「ははは…」 キュッ… コートを握った私の手に…あなたの手がのびてきた。 「冷えちゃうよ?」 コートの中に…腕ごと誘われた… ふわっ… あなたの体温が、私を夢心地にさせる。 いつも…優しくて、あったかくて、ちょっとイジワルで、いたずら好きなあなたが…好き。 あなたはいつも、こんなふうに、私を包んで、守ってくれる。 「あ〜…幸せかも」 「…え?」 「いや…寒い時にあったかさを感じると」 「…あー…そっか…」 「ね…?」 「…うん」 一瞬…淡い期待をした… 馬鹿な私… こんなのは、いつもの事。 ギリギリまで期待させといて…笑顔で寸ドメするのが、彼女。 「…小雪」 「…ん?」 小声でクスッと笑った後に彼女の手がのびてきて、私の頭は彼女の胸に… トクン…トクン…トクン… 大好きなあなたの、鼓動が聞こえる… 頭を撫でてくれてる、優しい手… なんだか急に切なくなって…涙があふれた。 あなたに気付かれないように…涙は私の頬を、はらはらと静かに流れていく… 「泣き虫」 「……」 なぜ分かったの? 「小雪は泣くとき、体が震えてる」 そっか…あなただけが知る秘密だったね… 「…ごめんなさい」 「…いいよ。小雪は泣きたい時に泣けばいい」 「…ありがと」 「小雪の為なら…いつでも胸を貸すから」 まわりが新年を迎えた喜びに沸いている中で… 私は泣いていた… 大好きなあなたの、穏やかで優しい胸の音を聞きながら… 「…小雪」 「んっ…」 心地いいぬくもりに抱かれて、ボーッとしていた意識が…あなたのいつものイタズラで一気に戻される。 「…いつまで…泣いてんの?…ん?」 「…くっ…くすぐったい」 あなたの耳元での囁きは…私にとっては、拷問… 「クスッ…小雪は本当に泣き虫だよね…?」 「…ご…めん…なさい」 …こんな時に、こんな所でやんなくてもっ… 「…もう泣くのやめる?」 「…うんっ…」 はぁっ…ヤバイよぉ〜 これ…弱いの知っててやるんだから… 「…じゃ…花火みよっか」 「…う…んっ」 「…んー?どうかした?」 もうっ…本当にいじわる…また寸ドメだ… 「…なんでも…ないよ…」 「本当に?…これは?」 「…ん…くっ…」 「ははっ…」 「…っ!!」 耳に…キスなんかしないでよっ!! …私、おかしくなっちゃうよ…知ってるくせに… 「小雪からかうの、本当おもしろいんだよね」 「…なんでっ」 「…ん?思った通りの反応するから」 おもしろい… 「…本当にそれだけ?」 「え?」 「うぅん…なんでもない」 言えない…聞けない… たった一言が… 『あなたが好き』 『私をどう思ってる?』 恐くて言葉にできない… あなたを…なくしたくないから… 「…小雪…」 「本当になんでもないよ!花火見よ!花火!」 いつも嘘つきな私。 いくじなしな、私… 神様だってきっと、こんな子のお願いなんて聞いてくれないよね… でも神様、やっぱり私はあなたに感謝します。 こんなに大好きな、大切な人に出会えたから。 私はあなたと、夜空を彩る花火を見上げてる。 この瞬間が素敵だから… また私は笑顔になれる。 「花火…綺麗だね」 「うん、すごくね」 見つめ合い、微笑み合う。 「あ…小雪…目に…」 「え…?」 「ほら…ちょっと見せて」 「…?」 少し冷たくなった両手で、頬を挟まれた…何? 「小雪の目に花火が映って、キラキラしてる」 「…んっ」 それは一瞬の出来事。 「花火…綺麗だね」 「…うん…」 つないだ手をギュッと握られた。 花火みたいに一瞬で、強烈で、熱いキス… 歓声より、花火の音より鳴り響く胸の鼓動を聞いていた… 神様…これは素敵なお年玉ですか?
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